湘南での磯遊びは毒のあるヒョウモンダコに注意


いよいよ夏休み目前。本格的な海水浴シーズンに突入します。
海水浴場や防波堤など、岩場やテトラポッド周辺で磯遊びをする際は、ヒョウモンダコに触れないよう注意しましょう。

湘南でも見られるヒョウモンダコ(新江ノ島水族館)

写真/新江ノ島水族館

ヒョウモンダコの特徴は大きさと模様(詳細は下記)。「体長が10センチ程度と小型」で「薄い黄色の体色に青または紫のリング模様」で見分けられます。
今年は2013年6月12日に茅ヶ崎漁港で発見されました。特徴となる写真のような鮮やかな模様は威嚇時などに現れるもので、通常は一般的なタコのように周囲の岩場や海藻と同系色に擬態しています。
こちらから危害を加えなければ一方的に襲ってくることはないので、海辺(特に岩場周辺)で似たタコを見かけたら絶対に手を出さないこと。ヒョウモンダコを発見したら、海水浴場の管理者やライフガードなどに伝えましょう。

ヒョウモンダコとは

【特徴】
成長しても10センチ程度の小型のタコ。淡い黄色に青みがかった“ヒョウのようなリング模様”が特徴。熱帯域のサンゴ礁などに生息するとされていましたが、ここ数年は温暖化の影響からか、伊豆半島や神奈川県、千葉県など温帯域の海の岩場でも確認されています。
【毒性と症状】
フグと同じ「テトロドトキシン」という神経毒を持っています。テトロドキシンは消化管からの吸収が速く、30分から4時間程度で、唇や舌、指先のしびれ、言語障害、運動失調、知覚麻痺などが現れ、最悪の場合は呼吸麻痺で死亡することもあります。成人の致死量は1~2ミリグラムとされる猛毒です。
【毒腺の位置】
口の唾液腺に毒腺があり、噛まれて毒液を注入されると、上記のような症状となります。口の位置は足のつけね内側の中心部分。
【噛まれた場合は】
すみやかに救急車を呼ぶなどして病院へ。応急処置としては、傷口から血を絞り出し、毒が回るのを防ぐために心臓に近い部分をひもなどで止血。毒を口で吸い出す行為は、口などの粘膜から毒を吸収してしまうこともあるので厳禁。必要があれば人工呼吸や心臓マッサージを行ないます。
小さいタコなので噛まれたことに気づかない場合もあるので、磯遊び中に麻痺や呼吸困難などの症状が現れたら、ヒョウモンダコによる被害を疑いましょう。
【オススメ救急グッズ】
ヒョウモンダコに関わらず、毒を口で吸い出す行為はNGとされています。下の写真のような「ポイズンリムーバー」を用意しておけば、注射器で液体を吸い込む要領で、安全かつ効果的に毒を吸引することができます。ハチやブヨ(ブト)に刺された場合にも大活躍。1個1000〜2000円程度。「ポイズンリムーバー」で検索を。

ポイズンリムーバー

★現在、新江ノ島水族館ではヒョウモンダコを展示中。お子さんと一緒に海の要注意生物について確認しておくといいですね。
■参考サイト
ヒョウモンダコの咬毒について|日本中毒情報センター
テトロドトキシン|日本薬学会薬学用語解説
茅ヶ崎漁港でヒョウモンダコを発見|茅ヶ崎市ホームページ
ヒョウモンダコ|江ノ島水族館


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