鎌倉「世界遺産登録」推薦取り下げが決定


2013年5月1日に、国際記念物遺跡会議(イコモス)から「不登録(不記載)」の世界遺産登録評価を受けたと発表された鎌倉。
このまま6月の世界遺産委員会でも不登録と決議されると、再推薦が不可、つまり世界遺産登録への望みが永久的に絶たれてしまうことを受け、5月27日、政府に推薦の取り下げを求めることが決定されました。

鎌倉鶴岡八幡宮

鎌倉の世界文化遺産登録を目指す「武家の古都・鎌倉」は、神奈川県と、鎌倉、横浜、逗子の三市が推し進めてきたもの。
「現在の寺社等が当時のまま残されているものではないこと、歴史的重要性が都市全体として示されていないこと」などからイコモスより不記載の評価を受けた今、不登録よりランクアップする可能性は低く、また、本会議でも不登録とされる最悪のケースを避けるため、戦略的に推薦を取り下げた形となります。

世界遺産 鎌倉「撤退でなく再出発」|YOMIURI ONLINE

黒岩(神奈川県)知事は会見で、取り下げを要請する理由について、「勧告の評価が厳しく、世界遺産委員会で(不登録以上に)ランクアップが期待できない。戦略的に、登録を実現する最善の道を選んだ」と説明。「鎌倉は必ず世界遺産に認められる価値があると確信している。なるべく早い段階で新たなコンセプトを考える」と述べ、理念を再考したうえで再挑戦する方針を明らかにした。
新しい理念については「すでにアイデアがある」と述べたが、内容や見直しの時期は明言を避けた。

世界遺産「鎌倉取り下げは最善」|YOMIURI ONLINE

近藤(文化庁)長官は国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」による「不登録」勧告について、「物証で、我々が主張する価値を体現できるか厳しく見ており、鎌倉の価値に対するアプローチがずれていた。鎌倉の不名誉ではない」と分析。今後の再挑戦にあたっては、「日本では歴史的に明らかでも、物証を示すことが登録への近道」と指摘した。

イコモスの不登録評価は、少なからず鎌倉の観光都市としてのイメージダウンにつながったはず。改めて鎌倉のイメージアップPRを行なうことが望まれます。もちろん、世界遺産登録の価値を再考しながら。
※6月5日追記
鎌倉の世界遺産登録について、2013年6月4日、文化庁が正式に推薦取り下げを決定しました。
「武家の古都・鎌倉」の世界遺産一覧表への推薦取下げの決定について|文化庁
■関連情報
鎌倉の世界文化遺産登録ならず「武家遺跡少ない」と不記載勧告
■参考サイト
世界遺産 鎌倉推薦取り下げ了承、文化庁審議会|カナロコ
世界遺産推薦取り下げ 養老氏「鎌倉の未来、考えよう」|カナロコ


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